夏の時期にお米にわくことがある「コクゾウムシ」
新米のはずだった米袋を開けてビックリすることもあります。
毎年どこからか被害の話は聞きますし、私も今年コクゾウムシの被害にあってしまいました・・。
お米にコクゾウムシがわいた場合、そのまま捨てることをおすすめする方もいるようですが、
私の実家や田舎では、コクゾウムシを「飛ばす」(取り除く)ことで、きちんとお米をいただきます。
今回実際にコクゾウムシがわいてしまったので、対応方法を写真を使って紹介したいと思います。
具体的には透明なプラスチックケースを使ってコクゾウムシを簡単に取り除く方法などをご紹介します。
実際の写真で紹介しますので、虫が嫌いな方は閲覧しないようにしてください。
新米にもわく!?コクゾウムシとは?
「コクゾウムシ」は、体長約2~3mmの甲虫です。
見た目は、良く言えば「カブトムシのミニチュア」みたいな感じです。
「米食い虫」と呼ばれることもありますが、米以外にもトウモロコシなどの穀物が被害にあうこともあり、日本だけでなく海外でも害虫として知られています。
「コクゾウムシ」以外では、「ノシメマダラメイガの幼虫」も「米食い虫」と呼ばれています(白い2mm程度の幼虫)
「米食い虫」は、ほっておくとお米に穴を開けてしまう困った「害虫」です。
コクゾウムシは、温度・湿度の条件が揃うと、爆発的に「ワラワラ」といった感じで湧いて出てきます。
コクゾウムシ対策の基本は「予防」
コクゾウムシの「予防対策」としては、温度・湿度の管理が重要です。
特に、夏はコクゾウムシの発生しやすい環境(27度前後の温度、70%前後の高い湿度)になります。
なので、対策していないとコクゾウムシが大量に米びつや米袋に巣食うようになります。
基本的な対策としては、お米用の保冷庫・保管庫・虫よけを有効活用して発生を予防していきます。
- 玄米の保管にはお米用の保冷庫を使うのがベスト(温度は5~15度が理想)
- もしくは、風通しのよいところに保管する(保管庫)
- 米袋や米びつ保管庫には、虫よけを入れておく。
我が家の虫除けとしては、まず、玄米の保管は「保冷庫」を使っています。
玄米の状態だと特に虫の誘引性が高いそうです(栄養価が高い)
そして「お米のストッカー」には唐辛子の虫除け効果を利用した「虫よけ」を使っています。
ちなみに「虫除け」は殺虫効果はありません。またコクゾウムシが発生してしまった後に入れても効果は少ないです(あくまで予防的効果です)
また「洗えるタイプのお米ストッカー」にしておくと、虫の卵なども洗い落とせるのでおすすめです。
さらに、食べる直前に「家庭用の精米機」で、「精米」「リフレッシュ精米」してからお米を炊くようにしています。
直前に精米すると、ごはんがきれいで美味しくなるのでおすすめです。
新米でもコクゾウムシがわくことがある
お米屋さんから、玄米などを購入した時点でコクゾウムシの卵が混入していれば、
新米でもコクゾウムシがわく
ことがあります。
「わく」とは「湧き出る」ようにたくさん発生するということです。
ただし、実はお米の生産・販売工程の「どこでコクゾウムシが混入」するかはわかりません。
例えば、流通しているお米は、「色彩選別機」等で虫・虫食い米などを取り除いてはいるものの、完全に排除することはできません。
また農家から直接購入した場合などは、コストのかかる「色彩選別機」にかけていない場合もあります。
なので、
新米といえども「油断」せずに、コクゾウムシなどの「米食い虫の予防対策」を行なっておくべきだ個人的には考えます。
今年もある農家さんから10袋ほど30Kgの新米(玄米)を購入しました。
しかし、そのうちの1袋にコクゾウムシが混入していて大変なことになっていました。
他の新米もすぐにチェックしました。他の9袋は大丈夫でした。
まったく同じ条件で保管していたので、おそらくは農家さんから購入した時点で混入していたと思われます。
このように、コクゾウムシが発生してしまったものの「取り除くことは可能」です。
今回は、その大変なことになっていた玄米で発生したコクゾウムシを取り除く作業を写真で紹介します。
コクゾウムシが発生したら?対策はある?
では、コクゾウムシが湧いて(発生して)しまったらどうしたらいいのでしょうか?
発生したら食べずに捨てるという人もいますが、
我が家では、
「コクゾウムシを飛ばす」
ことで、捨てずに、きちんとご飯としていただきます。
「飛ばす」という単語は、「取り除く」「手の届かないところにやる」「死なせる」みたいなニュアンスで使っています。
コクゾウムシが発生してしまったら、以下の手順で対策をしています。
- コクゾウムシを取り除く(飛ばす)
- 精米する
- 食べる前のリフレッシュ精米
- 洗米する
もちろん、お米に穴が空いていたり、変色してしまったものは取り除いて食べません。
傷んだお米は、精米時に取り除かれますし、洗米時に浮いてきたりするので判断できます。
穴が開けられたお米は浮いてきます。ちなみにコクゾウムシ自体も浮きます。
また、家に小型の精米機があると食べる直前に精米(リフレッシュ精米)して米を磨くことができるので、さらに清潔に美味しくいただくことができます。
コクゾウムシを飛ばす(取り除く)方法
コクゾウムシは一匹一匹「ピンセット」などで取り除くのは効率的とは言えません(きりがないです)
実は、コクゾウムシを飛ばす(取り除く)方法は超簡単です。
「光」にさらすだけ
なんです。
昔ながらの方法です。昔はゴザの上に玄米を広げて行なっていました
「即効性」があり、短時間で行えるのでお米も痛みません。
試しに箱に「コクゾウムシのわいた玄米」を入れて、「光」にさらしてみると?
すぐにコクゾウムシは「すぐに反応」します。
光を嫌がり、影を探しているのかダンボールから出ようとします(上に登ろうとします)
コメの中にいたものも、出てきます。
ただし、あまりに米を入れすぎると光が届かないので効果が薄くなります。
もう少し拡大してみると?
一目散にダンボールから出ようとしているのがわかります。
登っていって、箱からでていきます。
これはただ窓際(縁)においただけです。
それだけでこの効果です。
コクゾウムシは、光がよほど嫌いなようです。
ただし、ダンボールで行う場合は「注意点」があります。
それは深いダンボールだと、光が届きにくいのでダンボールの底や隅に隠れる場合があります。
かといって昔のように庭に「ゴザを弾いて薄く玄米を広げる」ことは難しいと思います。
「ゴザ」や「シート」を広げるスペースが無いし、鳥やその他の害虫が寄ってきそうです。
なので、私が行なっている方法は?
『透明のプラスチックケース』
の活用です。
「収納ケース」でもOKですし、「ブックストッカー」などでもOKです。
とにかく透明のプラスチックケースが効果的。
実際のやり方は?
透明のプラスチックケースに5cmくらいづつ「コクゾウムシが湧いている玄米」を入れていきます。
ダンボール箱と違い透明なプラスチックケースは側面でも底面でも光を通すので、コクゾウムシの隠れる場所はありません!
すると、コクゾウムシはどんどんケースを登ってケース外に移動していきます。
プラスチックのつるつるした表面でも難なく登っていきます。
また、驚くことにコクゾウムシは飛べるんです!
ただし「飛ぶこと」ははあまり得意ではなく、基本的には「歩行」して逃げていきます(この辺もカブトムシっぽい)
逃げ出したコクゾウムシは庭ならそのまま逃しても大丈夫だと思いますが、心配な方は、粘着テープを活用したり、紙コップに水を入れと油を一滴たらしたものを用意してその中に入れて「退治」します。
だいたい30~60分もすれば、ケースからほとんどいなくなります。
ほぼいなくなったことを確認したら、お米の乾燥を防ぎたいのでケースの蓋をしておきます。
重ねられるタイプのケースなら場所も取りません。
透明なケースなので、万が一取り除けていなかったコクゾウムシもすぐ見つけられます。
数時間置いてコクゾウムシを取り除けたことが確認できたら、一度精米をして、その後保冷庫・保管庫などに入れます。
お米は光で劣化して味が落ちていきますので、長期間光にさらすことは避けたほうがいいです。
また、絶対にしてはいけないことは、コクゾウムシがわいた米袋や米びつを再利用することです。
なぜならコクゾウムシが隠れていたり、「卵」が付着している場合があります。
「新しい米袋」を使ったり、きちんと「洗浄した米びつ・ライスストッカー」を使うようにしてください。
もしそのまま食用にするのが嫌なら?
我が家では、コクゾウムシが一度わいたお米も、コクゾウムシを飛ばしてから食べます。
田舎のお家はそうだと思います。「もったいない」ことはしません。
以下のような手順を踏めば、キレイで美味しいお米として普通に食べれます。
- コクゾウムシを取り除く(飛ばす)
- 精米する
- 食べる前のリフレッシュ精米
- 洗米する
ただし、「ご飯でたべるのはちょっと・・・」と思う方は?
加工品などにするのがおすすめです。
- お味噌(米みそ)に加工してもらう。
- 米粉にしてパンなどの加工品をつくる。
- 家畜の資料として引き取ってもらう。
という方法もあります。
個人的にはお味噌屋さんに頼んで米みそにしてもらうことが多いです。
お味噌でも気になるなら、お米買取センターや牧場などに引き取ってもらうという手もあります。
飼料としてのニーズがあります。
我が家のコクゾウムシ対策まとめ
- 新米でも保冷庫へ。
- 新米でも虫除けを入れておく。
- コクゾウムシが湧いていた場合は、光にさらして飛ばす。
- 透明のプラスチックケースが効果が高く使いやすい。
- 精米や食べる前のリフレッシュ精米で、コメを磨く。
- よく洗米して虫に食われて浮いてくるお米などを洗い流す。
- ご飯にしたくない場合は、お味噌や米粉パンに加工品にしてもらう。
- 食用にしたくない場合は、お米買取センターなどで引き取ってもらう。
今回は我が家で実際に発生したコクゾウムシの対策事例を紹介しました。
新米でも保管方法のミスなど少し油断するとコクゾウムシが湧いてきます。
ただし、取り除けば、普通に食べれますし、味噌などの加工品にすればなんの問題もありません。
「予防」と「実際に発生してしまった時の対策」がわかっていれば「もったいない」が減るとも思います。
今回の記事が参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました!
コメント